ウォーミングアップが必要なのはスポーツだけ?!
11月に入って気温も下がり、いよいよ冬支度をといった様相になってきました。
今回は、これから寒くなる時期に必要なウォーミングアップについてご紹介します。
ウォーミングアップは運動する人だけ?!
ウォーミングアップと言うと、「運動によるケガの防止」「運動のための準備」「スポーツ選手が競技の前にする運動」という印象を持たれている方が多いと思います。ですがウォーミングアップは、これからの寒い季節や、普段から運動する習慣がない人にも必要です。それは「冬が転倒による骨折の増える季節」だからです。
冬場に転倒・骨折が増える理由
- 身体が冷えると筋肉もこわばり思った通りに身体が動かず転んでしまう
- 寒さで関節に痛みが出てうまく動けない
- 防寒対策で靴下を重ね履きしたことで足裏の感覚が鈍くなって転んでしまう
など、家のなかや身近な場所での転倒が起こりやすくなります。当院の回復期病棟でも冬場になると転倒して大腿骨を骨折し、入院・手術となる高齢者の方が増える印象です。
以前のコラムで「冬の関節痛」についてもご紹介しましたが、家のなかでも身体を暖め、「寒さによる血行不良」を防ぐことで、より安全に過ごせることになります。
ウォーミングアップの効果について
ウォーミングアップを行うことで得られる効果をご紹介します。
体温や筋温を上昇させる
ちょっとした運動で生まれたエネルギーが体温や筋温を上昇させます。それにより血管が拡張し血流がよくなり、力が出しやすくなります。
関節可動域を広くする
筋温が上がることで、筋や関節周りの組織の動きが滑らかになり、関節が動かしやすくなります。思ったより足が上がらない、足をつってしまうことを防ぎます。
神経の伝達を促進する
身体を動かすことで中枢神経の興奮を引き起こし、筋肉を素早く力が出しやすい状態にします。
ウォーミングアップの語源は、「ウォームアップ」(warm up)の変化形です。温めることで体温が上がり身体を使いやすい状態にできます。
小さな動きから大きく動いてウォーミングアップを!
運動をしないときに行うウォーミングアップに適している動作をご紹介します。ポイントは「小さな動きから少しずつ大きな動きにすること」です。思いっきり力を入れる必要はありません。
できそうな項目から10回を目安に実践し、寒い季節の転倒や骨折を予防しましょう。
こんなときに効果的
- しばらく同じ姿勢が続いているとき(寝転んだまま・座ったままなど)
- ウォーキングなど運動する前
筋肉の温度を上げて、筋肉の収縮を滑らかにするだけでも関節周りの痛みがラクになることもあります。寒くて動きたくないと感じる季節ですが、転倒に備えて少しでも身体を動かしましょう。
リハビリテーション部