整形外科 Orthopaedics

膝関節が痛い──原因はなに?

膝関節の各名称

歩きはじめたときに感じる「膝の違和感」や膝が完全に曲がりきらない・うまく伸びきらない違和感、しゃがむ動作や段差を降るときに痛みを感じるなどの場合は、さまざまな原因が考えられます。まずは痛みが出始めたときに、病院で診察もしくは検査を受けることが大切です。

膝関節の仕組み

膝関節は3つの骨(大腿骨だいたいこつ脛骨けいこつ膝蓋骨しつがいこつ)から成り立ち、それぞれの骨の表面は弾力のある柔らかな軟骨で覆われています。そして、けん靱帯じんたいが膝関節を安定させるために付いています。

膝関節の曲げ伸ばしをする動作は、太もも前面の筋肉(大腿四頭筋だいたいしとうきん)を使って体重を支え、太ももの後ろの筋肉(ハムストリングス)を収縮させて膝を曲げています。膝関節の機能を正常に保つためには、膝関節の骨だけではなく周りの筋肉も重要な働きをしています。

代表的な疾患の例

変形性膝関節症

膝関節の痛みのなかで最も多く、特に膝の内側に痛みを感じやすい疾患が「変形性膝関節症へんけいせいひざかんせつしょう」です。国内では潜在患者も含め2,500万人が該当するといわれ、膝の軟骨などに異常が起こり、関節が徐々に変形していく病気です。

この疾患について

前十字靱帯損傷

スポーツ外傷や交通事故などで大きな力が膝に加わったときに、その外力の方向に応じて損傷します。一度損傷すると自然治癒の可能性が非常に低く、膝が「ガクっ」となる膝くずれを起こすことで「変形性膝関節症」になりやすくなってしまいます。

この疾患について

半月板損傷

半月板は、スポーツ活動などで膝をひねる動作をしたときに損傷する場合が多いですが、高齢になると、加齢に伴う変形などで立ち上がり動作や階段の昇降時などに損傷する場合があります。若年者から高齢者まで発症し、慢性化すると変形性膝関節症を引き起こす可能性もあるため、適切な診断と治療が重要になります。

この疾患について

膝の大敵のひとつ「肥満」

体重を支えている膝にはどれぐらい負荷がかかっているかご存じでしょうか。
平らな道を歩くときには体重の約2.6倍の負担がかかり、階段を下りるときは約3.5倍の負荷がかかります。体重70kgの方が階段を下りたとき、膝には約245kgもの負担が膝にかかっています。
体重が重い人ほど、膝への負荷が増加し、歩くだけで膝を酷使することになります。さらに、膝にかかる負担が大きくなったことで、クッションの役目を果たしている軟骨がすり減りやすくなります。その結果、骨同士がぶつかりあって炎症を起こし、膝痛が起こります。性別に関係なく、膝への負担を軽減するために、適正な体重を保つことが大切です。

診断・治療

膝が痛いと感じたら

膝に痛みを感じてから来院される場合が多いため、まずは「痛みの強さ」と「関節の変形度合い」を確認します。膝に体重がかかっている状態でレントゲン検査を行い、膝が変形している状態と進行程度の確認なども行います。

変形性膝関節症

膝関節の手術について

膝関節の変形の度合いが強くても、すぐに人工膝関節を勧めるのではなく、まずは骨切り術という骨を矯正する方法が可能であるか、自分の関節を温存する方向で検討します。

手術について

乾燥凍結PRP療法(PRP-FD)療法

近年注目されている治療法です。当院では、血小板の働きを活用するPRP治療を応用した乾燥凍結PRP療法(PRP-FD)療法を行っています。

外来治療・保険適用外治療

ジャック®(自家培養軟骨)

2013年4月に保険適応となった「自家培養軟骨によるひざ軟骨治療」が当院においても2022年5月より可能となりました。

ジャック®(自家培養軟骨)

担当医師紹介

  • 顧問 吉矢 晋一よしや しんいち

    専門分野
    膝関節/スポーツ障害
    経歴・資格・所属学会
    整形外科専門医(日本整形外科学会)
    認定スポーツ医(日本整形外科学会)
    認定スポーツ医(日本体育協会)
    2021年 Masaki Watanabe Award 受賞
    日本整形外科学会 名誉会員
    関西学院大学体育会ラグビー部 チームドクター
    花園近鉄ライナーズ チームドクター
  • 整形外科 部長 諸岡 孝俊もろおか たかとし

    専門分野
    膝関節/スポーツ障害
    経歴・資格・所属学会
    整形外科専門医(日本整形外科学会)
    リウマチ学会専門医(日本リウマチ学会)
    日本スポーツ協会 公認スポーツドクター
    認定運動器リハビリテーション医(日本整形外科学会)
    日本整形外科学会認定リウマチ医
    日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会
    日本臨床スポーツ医学会
    ガンバ大阪チーフチームドクター
    U24サッカー日本代表チームドクター

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