高次脳機能障害について知ろう
「高次脳機能障害」という言葉を耳にしたことはありますか?
高次脳機能障害とは、頭部外傷や脳卒中などで、脳が大きな損傷を受け「言語・行為・認知・記憶・注意・遂行機能・社会的行動」などの機能に障害が出て日常生活や社会生活に支障が出る状態を指します。
高次脳機能障害による「さまざまな症状」
高次脳機能障害の主な症状には、過去に自身で言った話や事柄を忘れてしまう「記憶障害」、電話をしながらメモを取るなど「同時進行」が難しくなる「注意障害」、仕事や家事など計画を要領よくこなすのが難しくなる「遂行機能障害」、自身がいる環境に合った行動や言動ができず、感情のコントロールが難しくなる「社会的行動障害」があります。
高次脳機能障害のリハビリ
言語聴覚士がどのようなリハビリを実施しているのか記憶障害や遂行機能障害の方に向けた一例をご紹介します。
- メモを取る習慣を練習をするリハビリ
- 記憶時間を1分後・3分後と少しずつ長く覚えるリハビリ
- 立体構成を見て順番や組み立て方法を考え完成させる訓練(積み木課題)
- 注意力低下を防止するための反復リハビリ
- 問題用紙を使った注意障害への訓練(特定の数字に印をつける課題)
高次脳機能障害の症状は複雑で一人ひとり異なるケースが多いです。そのため、周囲の環境に困惑しないように静かな環境や安心できる場所でリハビリを行うこと(環境調整の提案)から始めることも重要です。併せて、本人の意見や考え・言動などから原因を減らしていく取り組みも行っています。
お困りの際は医療機関へご相談を
入院中に目立った症状が認められず、退院し日常の生活に戻ってから症状が出てくることも多い障害です。ご自身やご家族がこのような症状でお困りの場合は、抱え込まずに医療機関へご相談ください。当院の場合であれば、脳神経外科をご利用いただくことや地域連携室にてご相談も承っておりますので、お声がけください。