薬は噛み砕くと早く効く?
漢方・目薬などのご紹介に続き、今回は、薬の飲み方についてご紹介します。
薬の剤形とは?
薬の形のことを剤形といいます。錠剤やカプセル剤など、薬の剤形を選択できれば、副作用だけでなく患者さんの生活スタイルや希望に対応しやすくなります。
薬の形が違うのは理由があり、胃への刺激が強い薬は、腸まで届くよう調整されていたり、1日1回飲む薬は溶けるスピードが調整されているなど、もっとも効果を得られるように作られています。
そのため、錠剤を砕いたり、カプセルの中身を取り出すなど剤形を変えてしまうと、本来の効果が得られなくなるほか、望ましくない作用が現れる場合もあります。
また、効き目が同じ薬でも剤形が異なるものもあります。剤形にはそれぞれメリット・デメリットがあり、その特性を生かして活用されています。
自己判断はダメ?!
扱いに便利な錠剤やカプセル剤は用量もわかりやすく、段階的に溶ける工夫がされているものがあります。一方で、子どもやお年寄りが飲みにくい薬だった場合は、貼り薬や坐薬に変更できる薬もあります。
同じ病気でも、病気の症状に個人差があるように、薬を使う環境もそれぞれです。薬の剤形は、患者さんの使いやすさや安全性に配慮して開発されています。
「早く効きそうだから」という自己判断で、錠剤を噛み砕いて飲んだり、「飲みにくいから」とカプセル剤の中身を出して飲んだりすると、薬が体内で吸収される量やタイミングをコントロールできなくなり、薬本来の効果が失われてしまう可能性があります。
もし、処方された薬が飲みにくい、飲み込む際に抵抗があると悩んでいる場合は、処方をする医師または担当の薬剤師に相談しましょう。
また、飲み方について分からない点や相談がある場合は、気軽に薬剤師にお声がけください。
薬剤部