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スタッフコラム

転倒予防について

今回は転倒の現状と予防策についてご紹介します。「転倒リスク」や「転倒予防」という言葉がよく耳にしますが、実際に転倒する可能性と転倒リスクを判断するテスト、転倒と深い関わりがある周囲の環境についてのお話です。

高齢者の約1/3が「年に一度」転倒する?!

厚生労働省の統計では、55歳を越えると転倒するリスクがそれまでの約3倍に増加するという報告があります。(※厚労省および労基の統計を参照)
さらに、転倒した際のケガがきっかけで「重篤な骨折」に繋がるリスクや「寝たきり」になってしまう可能性などもあり、高齢になる前から転倒を予防する必要があります。体力や健康に自信がある人でもご自身の転倒リスクが高いかどうか、判断できる方は少ないように思います。そこで今回は、転倒のリスクを把握するために療法士が基準としている「バランステスト」についてもご紹介します。

バランステストについて

バランステストには、いくつか種類があります。当院では、まずは負担の少ない簡単なテストから実施できるように「Timed up & Go Test」という評価テストを行っています。このテストは、歩行速度や椅子からの立ち上がり、方向転換など動作にかかった時間を計測します。
加齢に伴う運動機能の低下は避けられませんが、ご自身の状態を知ることやリハビリ・運動などを行うことで運動機能の維持に繋がります。まずは、簡単に行えるテストでご自身の転倒リスクを知っていただき、さらに細かいテストが必要であれば別のバランステストを行うようにしています。

「立つ、歩く、方向転換、座る」というテスト

「Timed up & Go Test」についてご紹介します。
まず、肘掛のついた椅子に座り、椅子から3m先の場所に目印をつけます。椅子から立ち上がり、目印の場所で折り返して、再び椅子に座るまでの時間を測定します。テストでは、以下の2つを重要視しています。

  • 11秒以上かかる場合は「転倒のリスクあり」
  • バランスが悪くなると動作に時間がかかる

バランスが悪くなると動作に時間がかかる

転倒防止のためには周囲環境にも配慮を

最後に、転倒を予防するためには「周囲環境」も重要な役割を担います。暗い照明、小型の敷物、滑りやすい床など「転倒しやすい状況」を変えることも必要です。また、電気コードや延長コードなどの配線や段差のある敷居や、ドア付近など転倒した際の原因は、身近なものが多いです。加齢に伴う運動機能と併せて、生活環境にも十分注意しながら、転倒を予防していきましょう。

リハビリテーション部 理学療法士

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