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アスリハ通信 リハビリテーション

シンスプリント 〜 すねの痛み、脛骨過労性骨膜炎 〜

アスリハ通信第23回目は理学療法士の高田です。
今回は、ランニングやジャンプ動作を繰り返す競技に多い「シンスプリント」についてご紹介します。

シンスプリントとは?

シスプリント
シンスプリントとは、過労性脛部痛けいぶつうとも言われ、すねの骨(脛骨けいこつ)にくっ付いている骨膜(筋肉)が炎症している状態です。いわゆる「使いすぎによる障害(オーバーユース)」です。
運動開始時や運動時に“ジーン”と足に響くような痛みや違和感から気付き、次第に運動中も痛みを感じるようになります。主に、すねの骨に沿って痛みが起き、痛みの位置によって種類があります。

  • すねの上側1/3と下側1/3:疾走(スプリント)型
  • 中間1/3:跳躍(ジャンプ)型

このシンスプリントが起こりやすい特徴として、ランニングやダッシュ・ジャンプを繰り返す競技をしている人に多く、なかでも若い中高生のランナーや運動を再開した人に多い障害です。

シンスプリントになりやすい状態とは?

過度な運動や乱れたフォームでのランニング・ジャンプ動作、固いグラウンドや路面での運動、足首の柔軟性の低下や扁平足などの足部の問題や、下肢の筋力低下等が問題で起こります。
使い過ぎによって起こるシンスプリントのような障害は、発生要因が多岐に渡るため一度痛みが出ると治りにくく、放置しておくと症状が長期化することもあります。

シンスプリントと診断されたら?

過労性障害となるため、まずはスポーツ活動を制限し、患部を休める(保存治療)を行っていきます。

  • 症状の悪化を防ぐために、運動量を減らす
  • 痛みがひどい場合は炎症を抑制するためにRICE処置などを行う
  • シンスプリントの原因を改善するリハビリテーションを行う
  • 炎症や痛みに合わせて少しずつ運動負荷を上げて競技復帰を目指す

スポーツ復帰の目安は、初期であれば2週間程度、重症であれば2~3か月後を目安にしています。再発しないように焦らずリハビリを行うことが重要です。

シンスプリント予防のストレッチ

シンスプリントを発症する患者さんは、足関節や足部の柔軟性が乏しいことが多いです。そこで、シンスプリントを予防するために効果的なストレッチやマッサージ方法をご紹介いたします。

足裏のボールマッサージ

足裏のボールマッサージ
テニスボールなどの硬めのボールを使用し、足裏をほぐしていきます。
体重をしっかりかけていきましょう。

足首のストレッチ

足首のストレッチ
イスや台の上に片脚を乗せ、足先と膝の向きが真っ直ぐのまま、写真の様に足首を曲げていきます。

気をつけたいポイント

注意事項
写真のように、マッサージやストレッチをする際に「指が曲がったまま」の状態や「踵が浮かないように」注意しながら取り組んでみましょう。
当院の整形外科外来では、具体的なストレッチ方法や痛みの軽減方法や対策などをご紹介しています。お困りのことがあればご相談ください。