炎症の鎮める方法 〜 RICE応急処置 〜
アスリハ通信第15回は理学療法士の秋津が担当します。今回は「炎症」についてです。
炎症のご説明をする前に、ケガの種類についてご説明します。
- 身体に大きな力が一度に加わり起こるケガ:「外傷」
- 過度な負担を繰り返すことで起こるケガ:「障害」
外傷と障害、このどちらかが起きたとき「炎症反応」が起こります。この炎症反応は、身体を守ろうとする防御的なものです。例えば、骨折・捻挫・肉離れ・脱臼などを起こした場合も炎症反応が見られます。炎症には4徴候(ちょうこう)と呼ばれる下記のような反応がでるため、そのケガを最小限の外傷または障害に抑える応急処置を速やかに行う必要があります。
- 発赤(皮膚が赤身を帯びている)
- 腫脹(腫れて、皮膚が張っている)
- 熱感(熱をもっている)
- 疼痛(痛みがある)
※ただし、頭や首、背中などのケガや大量に出血している場合は早急に医療機関へ受診してください。
今回は、この炎症を早期に鎮めるための対処法についてご紹介します。
RICE処置という対処法
応急処置の基本は、RICE処置です。RICE処置とは、Rest(安静)・Icing(冷却)・ Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の4つの処置の頭文字を並べたものです。RICE処置は、捻挫や肉離れなどの四肢の応急処置として行います。
- Rest(安静)…血管・神経の損傷を防ぐ為に、添え木やテーピングなどで損傷部位を固定します。
- Icing(アイシング)…炎症を抑えるためにビ二ール袋やアイスバッグに氷を入れて、1回15-20分ほど冷やす。痛みが出たら再度冷やします
- Compression(圧迫)…テーピングや弾性包帯で軽く圧迫ぎみに固定します。
- Elevation(挙上)…損傷部位を心臓より高く挙げるようにします
RICE処置に必要なもの
- 氷
- ビニール袋またはアイスバック(氷嚢)
※氷を詰められる袋があれば可 - 弾性包帯(伸縮性のある包帯)
捻挫や肉離れなどの応急処置
まずはできるだけ動かさないように安静を保ち、ケガの部位を冷やします。
痛みがひどくならない程度に包帯などで圧迫し、腫れや内出血を防ぎましょう。手や足の場合はケガの部位を心臓よりも高い位置で安静を保ちます。
冷却と安静の目安
処置の目安として、20分間ケガの部位を冷やし、40分間包帯やサポーターなどで圧迫しましょう。また、自己判断せずにできるだけ早く、かかりつけの病院を受診されることを勧めています。