踵骨骨端症(シーバー病)
アスリハ通信、第5回は「踵骨骨端症(シーバー病)」をご紹介します。
成長期の子どもに多い踵の痛み
踵骨骨端症(シーバー病)と言うスポーツ傷害を知っていますか?
お子さんに「かかとが痛い」という症状があれば、ひょっとすると「踵骨骨端症(シーバー病)」と言われるスポーツ障害かもしれません。
踵骨骨端症(シーバー病)とは?
踵骨骨端症(シーバー病)は、足のかかとに痛みや腫れが出る疾患です。
特に男の子に多くみられ、10歳前後の学童期にサッカーや野球、バスケットボールなどのスポーツをしているお子さんに次のような症状があれば、一度整形外科の受診も検討いただければと思います。
- 運動中や運動直後だけ痛みを感じる(時間が経過すると痛みはおさまる)
- 踵もしくは踵の辺りが腫れていたり、熱を持っている
- 踵が痛くて、つま先だけで歩いている
踵骨骨端症(シーバー病)の症状は、運動を中止すると改善されますが、根本的な原因を解決できないと再発・進行してしまい、ひどい場合は骨折につながる要因となります。
痛くなる原因はなに?
踵骨骨端症(シーバー病)の原因は、大きく分けて3つあります。
- アキレス腱(ふくらはぎ)・足底腱膜(足裏)などが硬くなっている
- 急に運動を始めたり、急に練習量が増えたことによる使いすぎ(オーバーユース)
- 姿勢やフォームの未熟さによる踵への負担が集中してしまう
アキレス腱と足底腱膜(足裏)はどちらも踵の骨に付着しています。これらが硬い状態でダッシュやジャンプなどの激しい運動を繰り返すと、踵の骨への負荷が大きくなりすぎて炎症を起こしてしまいます。上記の症状が当てはまる方は、アキレス腱と足底腱膜(足裏)のストレッチがおすすめです。自宅で簡単にできるので、ぜひ行ってください。
すぐできるストレッチ!!
(ふくらはぎとアキレス腱のストレッチ)
直立姿勢から片脚を後ろに引いて、アキレス腱とふくらはぎを伸ばします。
骨盤が壁と水平になるような姿勢を意識して、
踵をグーっと床に押し付けます。
この姿勢を90秒キープしてふくらはぎとアキレス腱を伸ばしていきましょう。
骨盤を壁と水平になるように姿勢を整えます。
そこから片脚を後ろに引いて、
反対側の膝を壁に近づけるように曲げます。
踵は床から離さないように意識しましょう。
この姿勢を90秒キープしましょう。
硬まった足裏の筋肉をほぐす方法です。
ゴルフボールやテニスボールを足の裏に置いて、ゴロゴロと踏み転がしてください。
やや痛いと感じる箇所で90秒キープしましょう。
※手すりを持って行うなど、足元に注意してください。
また、痛みがひどすぎるときは中止しましょう。
痛みが続くときは受診を
運動を中止したり、上記のような予防ストレッチを行っても痛みが改善しない場合や再発を繰り返すようであれば、姿勢やフォームの未熟さが原因になっているかもしれません。
間違ったフォームでスポーツを行っていると、踵骨骨端症だけでなく、さまざまなスポーツ障害の原因になります。
スポーツを痛みなく、ベストパフォーマンスが出せるように、痛みが続くようであればスポーツ整形外科を受診してください。当院の整形外科外来でもお困りのことがあればご相談いただけますのでご利用ください。