着替えることで「生活リズム」を整えよう
日本人の平均寿命が80歳を超え、高齢者数の増加に伴い「認知症高齢者」も増えている現状があります。65歳以上の高齢者に関する数字は、認知症有病率推定値が約15%、人数にすると「約462万人」となり、7人に1人の割合ですが、2025年には約5人に1人になると言われています。(出典:内閣府第2節 高齢者の健康・福祉)
今回は、超高齢化社会を迎えるにあたって、当院の回復期病棟で行っている「着替え(更衣)」で生活リズムを整える取り組みについてご紹介します。
着替えるだけ気持ちが変化?!
入院すると日常生活のように「日中は普段着、夜間はパジャマ」という着替え(更衣)の習慣がなくなり、寝間着や病衣のまま1日を過ごし、空調管理された院内で季節を感じることも難しい場合があります。そういった状況が続くと、生活リズムが崩れたり日付や季節感を忘れてしまい、認知機能が低下する恐れにつながってしまいます。
そこで、当院のリハビリテーション部では、入院中の生活リズムを整えるために、朝・夕の着替えを積極的にサポートしています。作業療法士を中心に、患者さんの着替え(更衣)を確認し、「服の形態はどうなのか?」「座ったほうがいいのか?」など安全面の評価と習慣化に取り組んでいます。
病棟ごとにチームで実践!
「着替え(更衣)」で生活リズムを整えるためには、リハビリテーション部のスタッフのみではなく、看護師・介護士など多職種と相談しながら改善と継続に取り組み、病棟全体で着替えの習慣化をサポートしています。高齢な患者さんが入院されて自宅に帰るためには、認知機能の低下を予防する必要があります。入院前と同じ生活リズムで行動することは難しいですが、できるだけ病棟の中で四季や日々の移ろいを感じていただき、患者さんとご家族の希望に沿えるようなリハビリの提供を行っています。
作業療法士