お家でチェック11:靴選び
今年度は「おうちでチェックできる内容」を毎月のコラムで紹介していきます。第11回は「靴」についてです。
日常生活はもちろん運動中も着用する機会の多い靴。
自分の足に合っていない靴を履くことで、足の機能を活かすことができずに疲れやすくなったり、足にタコができたり、爪が変形・変色する場合もあります。自分の足のサイズ、靴の着用方法、靴購入時の注意点について確認しましょう。
靴の選びかた、どうしてますか?
「足のサイズ」と聞くと「〇〇cm」と答えてしまいがちですが、この「〇〇cm」というのは「足長」だけを指しており、「足のサイズ」は人によってさまざまな形態をとるため、幅や厚みもあります。「足のサイズ」というのは足長、足囲、足幅が重要です。
足のサイズとは…
- (A)足長:この表現は足の縦方向の長さ
- (B)足囲:第1中足骨頭と第5中足骨頭ラインの周径(母趾と小趾の最もでている部分の周りの長さ)
- (C)足幅:第1中足骨頭と第5中足骨頭の距離(母趾と小趾の最もでている部分の距離)
日本の足のサイズは…
日本では、足幅(そくふく)、足囲(そくい)に対応するものとしてA、B、C、D、E、2E、3E、4E、F、Gというサイズがあり、それぞれの足長(そくちょう)に対して、日本工業規格(JIS)で定められています。靴の長さだけで判断すると、合わない靴がある場合もあります。
例えば、「足長=25cm」「足囲/足幅=240mm/99mm」の女性の場合は「25cmのEサイズ」の靴が適切ですが、「足長=25cm」だった場合でも、足囲/足幅=258mm/足幅105mm」であれば、25cmの4Eサイズが適切となります。ただし、作り手や靴の形状・機能によって「捨て寸」があり、同じサイズでもメーカーによって異なるため、実際に履かなければわかりません。
靴の履くとき、どうしてますか?
- 靴ひもを緩めて足を入れる
- 踵をヒールカウンターに合わせる
- 踵を床に押し付けるように履く
- ひもを結ぶ
靴ひもをほどかずに着脱すると、アッパーが伸びて固定性がなくなったり、踵部を強く引っ張ることでヒールカウンターが崩れてしまったりする場合があります。急いでいるときなど、強引に履いたり脱いでしまいがちですが、靴を着脱するときは、「靴ひもをほどく」という習慣をつけることも大切です。
靴購入時のチェックポイント(試し履きが大切)
- 母趾が圧迫されていないか
- つま先があたらないか
- 緩みがないか
- つま先があたらないか
- 緩みがないか
- 踵にフィットし余らないか
- 重心が踵に落ちているか
- アーチラインにあっているか
購入を決定する前には「歩く」「動かす」
まず靴ひもを通して、足を入れます。そして、踵を上げて、足囲を図った関節と靴の折れ曲がりが一致するか、靴が自分にあっているか確認するときの参考にしてみてください。また、人は左右で大きさが違うことも多いため、シューズを履くときは必ず両足とも履くようにしましょう。
参考文献
- 坂口顕:理学療法士のための足と靴のみかた.文光堂.p73-80.2018
- 西脇剛史:スポーツシューズの要求機能と使用素材.繊維学会誌.l65(5).p150-153.2009