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アスリハ通信

お家でチェック⑦スポーツをする人に多い貧血

今回はアスリートの健康管理において、悩みやすい貧血について解説します。若年層に多い、体内の鉄不足・ヘモグロビン数減少によって起こる「鉄欠乏性貧血」だけではなく、スポーツをする人に多く見られる「スポーツ貧血」という「溶血性貧血」についてもご紹介します。

貧血の主な原因とは?

血液検査一般的に貧血は血液中のヘモグロビンが不足して起こるといわれています。全身を巡っている血液が薄くなっている状態で、酸素を運ぶために必要な血液中の赤血球や、その中に含まれるヘモグロビン(血色素)の量が減っていることで起きます。一般に血液の濃さは血中のヘモグロビン濃度で表されますが、男性では13.0g/dl、女性では12.0g/dl以下になると貧血と診断されます。

貧血の種類について

今回はスポーツをする人に多く見られる貧血を2つご紹介します。

鉄欠乏性貧血

過度な体重管理(体操競技、バレエ、フィギュアスケートなどの審美系競技でよくみられる)、栄養面、女性であれば月経などが原因で起こることが多い。

溶血性貧血

激しい運動、固い地面で行う競技(陸上競技、テニスなど)、ランメニューをコンクリートで行う選手に多い。

貧血で起こる症状をチェック

貧血の指標になるヘモグロビン濃度とヘマトクリット値は、どちらも血液検査の結果で見る機会がありますが、今回は自宅でも簡単にできるセルフチェックをご紹介していきます。

特に「タイムが伸びない」「みんなと同じようにトレーニングをしても自分だけ体力がつかない」ような自覚がある場合は、自主トレの量を増やすなどの対応ではなく、貧血の可能性も考えましょう。
もし貧血だった場合は、強引なトレーニングを進めることで、さらに貧血症状が悪化する可能性やオーバーユースによる疾患(疲労骨折など)を発症してしまうリスクもあるため、注意が必要です。

溶血性貧血はこんな場面も要注意

溶血性貧血の場合は、路面環境が固い場所でのトレーニングを避けるように工夫したり、コンクリートやハードコートなどで競技をする場合は、ソールが厚いシューズを選択したりすることで予防につながります。特に、陸上用シューズは「タータン用」「陸上用のトラック用」など環境によって異なる設計がされています。路上トレーニングの際はウォーキングシューズやランニングシューズを使用することをおすすめします。

参考URL・引用文献

  • 1)標準理学療法学:内科学
  • 2)Sportsmedicine 2022.12 p2-5