新型コロナウイルスによる運動機能低下を防ぐ運動効果
今回は、「新型コロナウイルスによる運動機能低下を防ぐ運動効果」についてご紹介します。
スポーツ活動自粛から起こった運動不足
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、外出やスポーツ活動自粛による運動不足、それに伴う身体的および精神的な影響が報告されています。
例えば、子どもの場合だと健全な発育・発達に影響すると言われ、成人の場合では、テレワークの推進に伴う身体活動量の低下のほか、中高齢者は生活習慣病などの発症や体力・生活機能の低下(骨や筋肉など運動器の衰え、認知症など)をきたす恐れなどが挙げられています。
実際の調査報告を見てみると…
小学校1年生の児童を対象にした調査では、緊急事態宣言「前」と「後」の身体機能の結果について、緊急事態宣言「後」、バランス機能の低下・体脂肪率の増加・転倒と肥満のリスク増加となっていました。※1) これは成人・中高齢者の影響にも当てはまります。
子どもから大人まで、あらゆる世代で「運動不足がきっかけとなった身体機能の低下」が起きていると考えられます。この「負のスパイラル」を改善するためには、適度な運動を行うことが必要になると思われます。
適度な運動・スポーツで得られる5つの効果
- 自己免疫力の向上:感染に対する抵抗力が期待できる
- ストレス解消:運動することでメンタルヘルスの改善につながる
- 体重コントロール:生活習慣病の予防・改善
- 体力の維持・向上:筋力の維持・向上
- 血流の促進:腰痛・肩こりの改善・冷え性・便秘の解消や良好な睡眠につながる
子どもの場合
発育期の健全な成長と骨粗しょう症予防
成人の場合
生活習慣病予防
中高齢者:筋量・筋力の維持・転倒防止・認知症予防・食欲増進
感染予防と健康二次被害の予防
感染予防
手洗い・手指消毒 せきエチケットの徹底 換気 3密回避 適切な生活習慣 毎朝の体温測定・記録
運動・スポーツ(WHO推奨)
子ども
毎日60分以上の中高強度の身体活動(軽く息が弾む程度以上のもの)を行う。
成人
週に150分以上の中強度の身体活動(軽く息が弾む程度のもの)を行う。また、30分に1回立ち上がり動くことで、座り過ぎによる健康リスクを軽減できます。
運動習慣がない子どもや成人・中高齢者が急に運動・スポーツをするときは、ケガをする危険性が高まります。まずは無理をせずに、ストレッチや軽い運動を少しずつ継続して体を動かすようにしましょう。※2)
引用文献
1)杉浦英志,伊藤忠,他.「緊急事態宣言で子供が運動不足に バランス機能が低下転倒と肥満のリスク増加」International Journal of Environmental Research and Public ealth.2021 Sep13;18(18):9620(参照 2021-10-19)
2)スポーツ庁.「新型コロナウイルス感染対策 スポーツ・運動の留意点と、運動事例について」(参照 2021-5-17)