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アスリハ通信

子どもの運動習慣と骨密度

アスリハ通信第34回目は理学療法士の島本が担当します。今回は「子どもの運動習慣と骨密度」です。
骨密度は、骨の強さを判定する指標で、骨がもろくなると「骨粗しょう症」になります。骨を丈夫にするための対策として「学童期の運動習慣」についてご紹介します。

骨密度アップは、小さいころの運動習慣がカギ?!

健康寿命を考えるうえで、運動習慣やスポーツ習慣が重要と位置付けられています。これは、子ども時代から対策できるものも含まれています。例えば、「骨粗しょう症」は「学童期までの運動習慣との関連が強い」ということが判っています。

10歳までの運動習慣が重要

子どものなかでも、特に10歳までの低学年層で変化が大きいことがわかっています。子どもの運動習慣と骨密度_1

10歳までの低学年層に60cm台の高さでジャンプ運動を実施した結果、
運動を実施していない子どもよりも、腰椎(腰骨)と大腿骨頚部(太ももの骨)の骨塩量(骨密度)が増加したという報告があります。

また、骨粗しょう症は女性がなりやすい傾向にあります。

10歳までの低学年層と女性という観点から以下のジャンプ運動を実施しています。

初経(初潮)を迎えた10歳〜14歳前後の初経(初潮)を迎えた女児を対象に30cm台の高さでジャンプ運動(20分/日、2日/週)を実施した結果、子どもの運動習慣と骨密度_2初経(初潮)を迎える10歳までの低学年層とは異なり、効果は得られなかったという報告もあります。

走る・飛ぶことが骨を強くする?!

子どもの成長具合には個人差がありますが、小さい子どものうちから運動習慣を身につけておくことが、非常に重要ということになります。
実験ではジャンプ運動を行っていましたが、実際の運動習慣は球技やダンスなど別の運動でも同様の効果があると言われています。まずは子どもが楽しんで続けられる運動を見つけることで将来の骨密度改善・骨粗しょう症予防に繋がっていきます。

親子で実践も方法のひとつ

近年、子どもの運動習慣が減少しているという結果がスポーツ庁の調査結果として出ています。運動習慣が減少している理由はさまざまですが、親の運動習慣とも関係する傾向もあるためコミュニケーションのひとつとして、小さい子どものうちに親子で運動習慣を身につけておくと、子どもの将来の骨粗しょう症予防に役立つ可能性が高くなります。

やりすぎも要注意

運動習慣を身につけることは重要ですが、一方で酷使しすぎると身体への負担が大きくなることもあります。以前ご紹介した「女性アスリートの三主徴」という問題などもありますので、適度な運動習慣を作ることを心がけていただければと思います。

参考文献