腰椎椎間板ヘルニア
アスリハ通信、第31回は理学療法士の渡邉が「腰椎椎間板ヘルニア」についてご紹介します。
腰椎椎間板ヘルニアとは?
椎間板の後ろには腰や足につながる神経があるため、その神経を圧迫することにより腰や足に「しびれ」や「痛み」を感じるようになります。
主な症状について
坐骨神経痛 :お尻から大腿、下肢の痛み- しびれ:特に膝から下に症状がでることが多い
- 腰痛:特にお尻に近い位置に出ることが多い
- 下肢の筋力低下:足首や足の指に力が入らない
- 重症の場合排尿障害が生じることもある
こんな特徴も
- 座っている時よりも立っている時や寝ている時の方が、痛みが軽減する
- 背中を丸めたり、前かがみになったりすると神経が圧迫されて「しびれ」や「痛み」が強くなる
ヘルニアになりやすい人は?
腰椎椎間板ヘルニアは、10代から高齢者まで幅広い層で発症する可能性があります。なかでも、重労働や長時間の車の運転をしている人は事務仕事をしている人の3倍も発症リスクが高いと言われています。スポーツ障害としてもよく取り上げられる病気ですが、競技種目に関係なくどの種目でも起こる可能性があるため注意が必要になります。
セルフチェックをしてみよう!
①前屈テスト
立った状態から上半身を前に倒します。その際に「しびれ」や「痛み」が出れば「腰椎椎間板ヘルニア」の可能性があります。
②SLR(下肢伸展挙上)テスト
仰向けで両足を伸ばした状態から、片膝を伸ばしたままゆっくりと足をあげていきます。
足をあげるときにサポートがいない場合は、タオルを足裏に引っ掛けて行いましょう。
足をあげた角度が70度以下でなおかつ「しびれ」や「痛み」がある場合は「腰椎椎間板ヘルニア」の可能性があります。
ヘルニアになってしまった時、ならないためのセルフストレッチ
※痛みが強い場合は無理にストレッチをせず、まずは受診するようにしてください
腰のストレッチ
仰向けに寝て、両膝を立てます。その膝を立てた状態から左右に倒すようにして腰をひねります。
痛みなくストレッチができる場合は、顔を倒した足と反対側に向けて肩が浮かないようにしましょう。
お尻のストレッチ⑴
仰向けに寝た状態から、片足の膝を両手で抱えて胸に付けるように引きます。
お尻のストレッチ⑵
仰向けで両膝を立て、片方の足首を反対の膝の上に乗せます。その状態から足首を乗せた膝裏を両手で抱えて胸に付けるように引きます。
ハムストリングスのストレッチ
※このストレッチはバスタオルを使用します
仰向けになり、バスタオルを片足の爪先あたりにかけます。
そのままバスタオルを引っ張るようにして膝を伸ばしていきます。
まずはセルフケアから
腰椎椎間板ヘルニア症状が出てしまった場合は、悪化しないようにセルフケアをしっかり行いましょう。当院の整形外科外来では、具体的な痛みの軽減方法・対策、ストレッチ方法などをご紹介しています。
お困りのことがあれば一度ご相談ください。