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アスリハ通信

障がい者スポーツを知ろう!

アスリハ通信、第21回は「障がい者スポーツ」についてご紹介していきます。

障がい者スポーツの歴史

まずは、障がい者スポーツの歴史や組織、障がい区分などの基礎知識について説明していきます。
障がい者スポーツは、第二次世界大戦後の軍人のリハビリテーションの一環として始まりました。それまで障がいを抱えた人たちは、病院や施設の中で安静に過ごしていましたが、社会復帰の手段としてスポーツを行い、障がいがあるために働く機会が乏しい状態から社会との繋がりを得る手段としてスポーツを行い、健常である身体を取り戻す、あるいは健常者社会の一員となるための努力としての考えが強くありました。

障がい者のスポーツの3つの特徴

障がい者のスポーツには大きく3つの特徴があります。

  1. ルールが工夫されていること
  2. 道具が工夫されていること
  3. 障害が勝敗に影響しないように障害等級に応じてクラス分け(クラシフィケーション)がある

クラス分け(クラシフィケーション)とは?

障がいのある部位や種類、また、障がいの程度はそれぞれ異なるため「クラス分け」を行い、個々の障がいが競技に及ぼす影響をできるだけ小さく・平等に競い合うための制度です。
クラス分け(クラシフィケーション)は原則として、クラスを持っていなければ大会に出場し、記録が公認されません。出場前にクラス分け(クラシフィケーション)を受ける必要があり、クラス分け(クラシフィケーション)には以下の3つのプロセスがあります。

  • A)身体機能評価
  • 問診や筋カ、関節可動域、バランスなどの各種検査を実施し参加資格の有無を判定する

  • B)技術評価
  • 大会前に競技試技を行い選手のパフォーマンスや競技スキルを評価し適切なグループ(参加クラス)を割り当てる

  • C)競技観察
  • クラス分けを実施した大会の最初の出場種目を観察し、上記A)B)で判断した参加クラスが適切であるかを確認する

障がい者スポーツに関わる理学療法士の役割

  1. 身体的・機能的な回復を支援し、社会参加・スポーツ参加への交流につなげることで、人間関係や生活環境の拡充に関わる
  2. クラシフィケーションにおける筋力や可動域・中枢神経系障害運動の協調性を診断して、これを基にした競技力の区分である医学的な資質・判断に対応する
  3. 障がい者スポーツ特有の車いすや義足について、義肢装具士との連携しスポーツ装具の選定・フィッティングに携わる

現在、車いすバスケットボールや車いすテニスなど兵庫県で大会が行われる機会もあり、身近に観戦・参加できるスポーツ競技も増えています。アスレティックリハビリテーションでは、障がい者スポーツに関わる理学療法士の役割を中心として、競技の特性や選手の状態に合わせたリハビリにも対応しています。スポーツのリハビリでお困りごとがありましたら、当院にご相談ください。

参考資料・文献
・大学スポーツの潜在力 障害者スポーツの可能性:信太 奈美(首都大学東京・助教(理学療法士))
・JPA日本パラ陸上競技連盟
・公益財団法人日本障がい者スポーツ協会:障がい者ス ポーツの歴史と現状.東京.2015
・日本医事新報社:オリンピック・パラリンピック競技大会における理学療法サービス:No.4944 (2019年01月26日発行) P.53 永野靖典 (高知大学医学部附属病院リハビリテーション部)

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