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スタッフコラム

お正月のお餅と差し入れ

縁起物を食べてほしい!という気持ち

餅の差し入れあるお正月の出来事のひとつに、80代の患者さんのご家族から「お父さんに力をつけてほしくて」とお餅を差し入れに持ってこられたことがありました。
日本では昔から米は神聖な作物とされ、それを搗いて(ついて)固めたお餅には米のパワーが凝縮されていると考えられ、お餅を食べることで力がつくと言われてきました。「お父さんに早く良くなってほしい」というご家族の思いの詰まった差し入れに触れて、心が温かくなりました。しかし、残念ながらこの患者さんはお餅を飲み込む力(嚥下機能)が低下しているため、食べていただくことができません。
入院中の患者さんの食事は、飲み込む力(嚥下機能)に応じて提供しています。嚥下機能が低下している場合、弾力のあって粘り気の強いお餅は「窒息のリスク」があるため、提供することができません。

餅の代替としてご提供するものは…

お餅と真薯当院では、お餅で起こるリスクを回避するために、お餅の代わりに「真薯(しんじょ)」を提供しています。真薯はエビや魚の白身をすりつぶしたものに山芋や卵白、だし汁などを加えて、調理したものです。お餅を模して、白くて丸い食べ物でお正月気分を味わっていただけるよう工夫されています。

こんな代替品も

補食食事が進まない患者さんに対して、当院ではいくつかの工夫をしています。まず、主食を白米から「麺類」に変更したり、プリンやアイスクリームなど、のど越しの良いものを提供したり、可能な範囲で個別の対応を行っています。
ちょっと変わっているところは、補食として「たこ焼き」を提供していることです。ソースの味が恋しくなったり、「たこ焼きなら食べられる」というのは関西人ならではの感覚でしょうか。
※補食:食事の量が少ない方や、必要な栄養が不足している場合などに提供される食事。間食に近い役割。

差し入れの相談もお気軽に

当院では、安全においしく食べていただけるよう入院期間中の食事にも工夫をしています。お見舞いにお越しの際に、患者さんへ「差し入れ」を検討されている場合は、ぜひ病棟のスタッフにご相談くださいますようお願いいたします。

看護部