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股関節 スタッフコラム 整形外科

何が違う?! 頚部骨折と転子部骨折

年末年始のようなバタバタとしている時期に起こりやすい高齢者の骨折。なかでもバランス感覚が悪くなって転んだことで起こる「大腿骨骨折」が急速に増えます。「股関節の骨折」は主に3つの種類がありますが、今回はその股関節の骨折で耳にする「頚部けいぶ
骨折」と「転子部てんしぶ骨折」の違いについてです。

股関節の内側「頚部けいぶ」と外側「転子部てんしぶ

頚部と転子部

脚の付け根の関節を股関節と言い、太ももの骨(大腿骨だいたいこつ
)と骨盤をつなぐ役目をしている関節です。太ももの骨(大腿骨だいたいこつ
)の一番上の部分を(骨頭こっとう
)と言い、そのすぐ下の細くなった部分が頚部けいぶです。頚部は関節包の内側にあります。頚部の下の細くなった部分から太く出っ張っている部分までを転子部てんしぶと言います。転子部は関節包の外側にあり、上から大転子・小転子があり、転子部よりも下にある部位を転子下と言います。股関節の骨折した位置によって呼び方が変わります。

ここが違う「頚部けいぶ骨折」と「転子部てんしぶ骨折」

    • 軟骨を覆う膜(外骨膜)の有無

折れた骨がくっつくためには、軟骨を覆う膜「外骨膜」が重要な役割をしますが、頚部には、この「外骨膜」がありません。そのため、骨折が完全に治るまでに時間がかかる場合や、完全にくっつかない「偽関節ぎかんせつ」になる可能性があります。
一方で転子部は、周囲を筋肉組織などに囲まれているため転子部の骨折は「折れた骨がくっつきやすく(骨癒合しやすく)」傾向があります。

    • 栄養を送っている動脈の損傷

頚部には回旋動脈という細い動脈が栄養を送っています。そのため、頚部骨折をしたときに、この動脈が損傷してしまうと、血流がうまく流れなくなり,骨頭の部分が壊死えしを起こしたり,骨頭が潰れてしまう、という危険性もあります。
一方で転子部は、壊死も起こりにくい骨折だと言われています。
(※骨折の具合は個人差があり、まれに骨頭壊死や遅発性骨頭陥没になる場合もあります)

頸部と転子部の違い

    • 治療方法が異なる

転子部骨折は、動くことさえできないほど強烈な痛みを感じる派手な骨折ですが、骨折としては、骨がくっつきやすいため骨折部をくっつける手術(骨接合手術)を行います。
一方で頚部骨折は 転子部骨折に比べると痛みはかなり少ないですが、骨折部がずれていると、くっつきにくい(偽関節)状態が起こり、くっついた後でも壊死(大腿骨頭壊死)になる可能性があるため、人工物(人工骨頭 人工関節)に入れ替えが必要です。頚部骨折であても、ずれていない場合は骨折部をくっつける手術(骨接合手術)を行います。

2つの骨折に共通すること

どちらの骨折も基本的には骨折の形態や程度にかかわらず、ギプス固定などの保存的治療を行うことが困難なため、治療の第1選択が手術になります。
内科的な問題などで、どうしても手術ができない場合だけベッド上での安静が選択されますが、その場合は寝たきりになるリスクが上がってしまいます。

股関節は「立つ」「歩く」ために重要な骨

股関節の骨折(大腿骨骨折)は女性の患者数が多いと言われている理由のひとつに「骨粗しょう症」があります。
「大腿骨頸部骨折」と「大腿骨転子部骨折」の男女比は一般的に男1:女4であると言われています。太ももの太い骨は、折れにくいイメージがあるかもしれませんが、高齢になると自宅の「2~3cmの段差」も転倒のリスクにつながると言われます。また、骨折によって動けない状態が長引くことで筋力が低下し、さらなる骨密度の低下も引き起こす可能性にもつながります。転倒した際は、自己判断せずにできるだけ早く整形外科を受診しましょう。

当院の整形外科にて、検査・診察可能です

大腿骨骨折が起きてしまったとき・入院や手術、転院先などのご相談などお困りの際にはぜひご相談ください。
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