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アスリハ通信

膝前十字靭帯損傷(膝のスポーツ外傷)

アスリハ通信、第7回は「膝前十字靭帯(ACL)損傷」についてご紹介します。
スポーツによる膝の痛みを我慢したり、そのまま放置していませんか?
膝前十字靭帯(ACL)損傷は、サッカーやバスケットボールなどの方向転換を活発に行うスポーツをしている人に多いケガです。当院のスポーツ整形・スポーツリハビリの約20.5%が膝前十字靭帯(ACL)損傷の患者さんです。 (※2018年度時点)
今回は、ケガが起きやすい状況や治療の経過などをお伝えしていきます。

膝前十字靭帯(ACL)損傷とは

膝前十字靭帯損傷_2

膝前十字靭帯とは、膝関節のなかにある靭帯で、運動する時などに膝を安定させる役目があります。膝に過度な負担がかかるような、サッカーなど相手チームの選手とぶつかって起こる「接触損傷」や、バレーボールなどでジャンプして着地をした瞬間や急な方向転換をしたことで起こる「非接触損傷」など、動きが激しいスポーツをしている最中に起こりやすいといわれています。

ケガをしたらどうなる??

前十字靭帯損傷_2

強い衝撃が膝に加わり「ガクッと膝から崩れる」「膝に激しい痛みが走る」などが膝前十字靭帯(ACL)損傷の特徴です。軽い損傷であれば、手術をせずに日常生活に戻ることができますが、「靱帯が切れた状態」を長期間そのままにしておくと、膝関節のクッションの役割をしている半月板や軟骨の機能が悪化することも多いため、手術することがよいとされています。膝前十字靭帯(ACL)損傷の場合は、膝の腫れが落ち着くまで安静にする必要があるため、手術ができるようになるのはケガから約2カ月後が目安になります。

手術から歩けるようになるまで

ケガをしてから手術までの期間に、膝の曲げ伸ばしの可動域訓練や膝を伸ばす大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)の筋力訓練を行います。手術翌日は、まだ膝関節に炎症があるため、安静にした状態で膝を冷却するなどの対応ですが、手術から1週間を目安に炎症が落ち着きはじめると膝を曲げたり体重をかける訓練を開始します。最初は車いすや松葉杖を使用しますが、術後2週間ほどで松葉杖が取れると歩いて退院される方も多く、退院後は外来リハビリテーションにて、膝の曲げ伸ばしの練習やスクワットなどの筋力トレーニングを中心に行います。

スポーツ再開はいつごろ?

術後4カ月ごろには筋力がついてくるため、ジョギングなどの練習が可能になります。その時期から少しずつ競技特性に合わせたリハビリを行い、手術後8〜9カ月以降を目安にスポーツ復帰を目指します。(※復帰の時期や回復には個人差があります)

膝前十字靭帯(ACL)損傷を予防するために

ストレッチを行い身体の柔軟性を高めること、筋力トレーニングを行い膝や股関節などの安定性を高めること、バランス能力を高めることが大切です。以前にご紹介したハムストリングスのトレーニングバランストレーニングなどを参考にしてください。

当院では術前から入院中、競技復帰までのリハビリを行っています。スポーツ中のケガなどでお困りのことがあれば、当院の整形外科までご相談ください。

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