整形外科 整形外科

整形外科

股関節に対する手術治療について

※当院で行う整形外科手術からいくつか代表的な手術を説明・解説し、患者さんご自身の治療方針の参考にしていただくページです。記載している内容が治療のすべてではありません。また、治療は患者さんの体型や骨格、病歴などによって異なります。

当院で行っている変形性股関節症に対する手術治療には大きく分けてふたつあります。進行する前に行う「骨盤骨切り手術」と、進行した状態(軟骨の消失や骨盤や大腿骨頭の変形)に行う「人工股関節置換術」です。

人工股関節置換術について

変形性股関節症・関節リウマチ・大腿骨頭壊死症などで病期が進行し、痛みが強くなっている人や日常生活の動作に支障がある場合には「人工股関節置換術」を行います。

人工股関節は骨盤(寛骨臼)側にカップと呼ぶお椀型の金属が設置され、大腿骨側には大腿骨頭の代わりに金属もしくはセラミック製のヘッドと呼ぶボール状のものが、ステムと呼ぶ軸状の金属と接続して大腿骨の中に固定されます。軟骨の代わりを担うカップの表面には特殊なポリエチレン製もしくはセラミック製の受け皿(ライナー)が取り付けられます。

長期耐久性・スポーツ復帰が望める

人工股関節置換術で使用される人工股関節やインプラントは、著しいスピードで進化しており、術後の合併症などがなければ近年30年以上の長期耐久性が見込まれています。また、正確な手術を行うことで、正座やあぐら、しゃがむ姿勢など日本人特有の日常生活動作も術後に可能となります。
人工股関節置換術での最大の目的は、「股関節の痛み改善」と「制限のない日常生活動作」です。サッカーやラグビーなどの激しいスポーツはケガの危険性から禁止となりますが、ゴルフやテニスなどのスポーツを楽しむことは十分可能です。
また、この手術は「早期退院」「早期社会復帰」が望めることも特長的です。術後のリハビリテーションがスムーズに行えて、経過が良ければ術後10日から2週間での退院できる場合もあります。また、当院ではMIS (Minimum invasive surgery; 最小侵襲手術)人工股関節置換術を行い、早期社会復帰と早期の筋力回復に繋がるように注力しています。

当院での人工股関節置換術について

人工股関節置換術の目的は、人工関節をできる限り長持ちさせ、股関節痛を減らし動作制限のない楽しい日常生活の実現です。そのために当院の整形外科では、さまざまな取り組みを行っています。

ナビゲーションの使用

人工股関節の脱臼の回避だけではなく、人工股関節手術後に動作制限のない日常生活を送るためには「正確な人工関節の設置」が重要だと考えています。当院では、ほぼすべての手術にナビゲーションシステムを用いています。手術前にCT撮影を行う必要がありますが、手術前に骨盤の状態と最適な場所や角度に人工関節を設置する三次元イメージを作成することで、設置角度誤差が3度以下で人工関節を設置することができます。ただし、ナビゲーション用の傷が腸骨(骨盤)部にできることやナビゲーションを用いない手術よりも手術時間が15分ほど長くなる場合があります。該当する患者さんに向けては、別途ご説明いたしますので不明な点があればご相談ください。

MIS人工股関節置換術について

MISはMinimum invasive surgery の略で、皮膚切開や筋肉の切離をできるだけ小さくし、患者さんの体にかかる負担を少しでも軽くしようという手術手法(最小侵襲手術さいしょうしんしゅうしゅじゅつ)です。

筋肉や軟部組織(皮膚など)をなるべく温存し、術後の痛みや筋力の低下を軽減し、術後リハビリの早期開始・早期退院を目指しています。当院では、人工股関節置換術のMISとして主に「大腿筋膜張筋」と「中臀筋」の間から股関節に到達する方法で手術とナビゲーションを併用しています。

施設内骨バンクについて

人工股関節全置換術や人工骨頭置換術を受けられたときに、摘出した大腿骨頭を冷凍保存する設備が院内にあります。同種骨移植どうしゅこついしょくとして、再置換術が必要な場合に使用し、複雑な再手術にも対応できるよう努めています。

日本整形外科学会においては、冷凍同種保存骨その他の組織を移植に利用できるように、「整形外科移植に関するガイドライン」と「冷凍ボーンバンクマニュアル」を発行しており、これらのガイドラインに則り、施設内で骨バンク(ボーンバンク)を行います。
骨バンクを利用される患者さんには利用についてご説明いたします。ご不明な点がありましたら、担当する整形外科医までご相談ください。

合併症について

人工股関節置換術の問題点として挙げられる「合併症」のなかでも特に多い事例は、脱臼だっきゅうです。
これは人工関節のカップから「ヘッド」が抜けてしまう状態のことを指します。以前は、脱臼予防のために術後のしゃがむ姿勢や正座など股関節に負担がかかる動作を禁止していましたが、現在はインプラントや手術方法の改善やナビゲーションを使用して正確に手術を行うことにより動作を禁止することもなくなり、脱臼率1%以下、術後の細菌感染も1%以下の確率となっています。

骨盤骨切り術について

人工股関節の脱臼の回避だけではなく、人工股関節手術後に動作制限のない日常生活を送るためには「正確な人工関節の設置」が重要だと考えています。当院では、ほぼすべての手術にナビゲーションシステムを用いています。手術前にCT撮影を行う必要がありますが、手術前に骨盤の状態と最適な場所や角度に人工関節を設置する三次元イメージを作成することで、設置角度誤差が3度以下で人工関節を設置することができます。ただし、ナビゲーション用の傷が腸骨(骨盤)部にできることやナビゲーションを用いない手術よりも手術時間が15分ほど長くなる場合があります。該当する患者さんに向けては、別途ご説明いたしますので不明な点があればご相談ください。

※骨盤骨切りの手術は、ほかの人工関節手術と比較すると、骨癒合までの時間がかかりリハビリなどを含めると、約2ヶ月の入院期間が必要となります。また、軟骨がすでにすり減り始めている、もしくは変形性股関節症を発症している状態で手術を行う場合は、変形性股関節症の進行を遅らせることはできますが、経年的に徐々に軟骨がすり減る可能性があります。

寛骨臼回転骨切り術について(CPO)


寛骨臼回転骨切り術は、臼蓋形成不全の股関節の骨を切り回転することで荷重する関節面を広げる手術です。股関節の痛みを和らげるとともに変形性股関節症への進行を予防する目的があります。
寛骨臼形成不全では寛骨臼の屋根が小さく(浅く)大腿骨頭の全体を覆うことができていないため、手術で寛骨臼の骨をドーム状に切ってスライドさせることで大腿骨頭を正常に覆います。

寛骨臼形成不全がある方は、大腿骨が不安定になっているため、骨盤にある寛骨臼をドーム状にくり抜くように骨切りを行い、骨切りした骨を外側へスライドさせて、骨頭を正常な股関節と同じように覆う手術を行います。この手術の非常に稀な合併症として、血管損傷や神経損傷、軟骨損傷などが起こる場合が稀にあります。当院では、安全に手術が行えるように人工股関節と同様のナビゲーションを用いています。

手術のポイントは以下の通りです

  • 軟骨が正常な初期段階であれば、変形性股関節症の病期の進行を防げる
  • 早期手術を行うことで生涯自分の関節を維持できる
  • 手術後に癒合して筋力が回復すれば、すべてのスポーツや日常生活に制限がなくなる

長期入院と自己血採取が必要

この手術を受けると、骨切りした骨が癒合するまで、ゆっくりとリハビリを進める必要があるため、当院は2ヵ月の入院を基本としています。また、手術中の出血が多くなるため、手術予定日の1ヵ月前から2回(400mlx2回)の自己血採取が必要となります。

術後の疼痛対策について

「術後疼痛」とは、手術の傷が治り痛みの原因が消滅したにも関わらず、痛みがいつまでも消滅しないもしくは増大していくことを術後疼痛と言います。
当院では、整形外科と麻酔科が協力しながらマルチモダール鎮痛法(多用式鎮痛法)を実践しています。手術中から鎮痛薬や鎮痛方法を組み合わせることで、痛みのコントロールと薬の副作用を軽減し、早期の段階で痛みに対する改善を図ります。また、術後にアイシング対応(氷で冷やす処置)なども積極的に取り入れて疼痛対策を行っています。

ご不明点がございましたら、
お気軽にお問い合わせください。

0798-33-0601
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