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スタッフコラム

危ない?!横乗り系の乗り物の転倒

ここ数年で、子どもたちの間で横乗り系の乗り物が人気です。
横乗り系の乗り物とは、進行方向に対して体を横にして乗るスケートボードやブレイブボードなどです。
ブレイブボード
この横乗り系の乗り物は、簡単に操作できる一方で、意外と大きなケガにつながりやすいことをご存じでしょうか?当院にも横乗り系の乗り物で転倒したお子さんのケガや骨折治療が増えています。夏休みを前に、安全対策について考えてみませんか?

子どもの骨折で最も多い上腕骨顆上骨折とは

ブレイブボード転倒
横乗り系の乗り物で転倒してケガをした子どものなかで頻度が高い骨折が「上腕骨顆上骨折」です。上腕骨とは肘から上の腕の骨で、上腕骨顆上骨折は肘に近い部分の骨折を言います。今回はこの骨折についてご説明します。

どうやって起こる?

横乗り系の乗り物で骨折につながるケガは、転倒時に肘をぶつけて起こるのではなく、肘を伸ばした状態で手をついて肘が反ることで骨折が発生します。バランスを崩したまま手をついたことが考えられます。以前は滑り台やブランコなどで多いケガでしたが、現在は、横乗り系の乗り物で転倒するケースが急増しています。

症状は?

ケガをした肘が痛くて動かせない・肘の関節が腫れている場合には上腕骨顆上骨折の疑いが考えられます。また、骨折片で神経や血管が損傷されている場合は、手や指がしびれたり動かせなくなることがあります。

治療について

骨折ギプス固定

上腕骨顆上骨折の場合、変形があまりなければギプス固定を行い、骨がくっつくまで安静に保ちます。ただし、変形が大きい場合(骨折部の安定性が悪い場合)は、徒手整復後にキルシュナー鋼線というワイヤーを挿入して固定する必要があるため、入院と手術をすることになります。
また、骨折部分が捻れた状態のまま骨がくっつく変形や、手術で固定しても骨折をしたことによる肘の変形が残る可能性があります。
肘の機能には問題ありませんが、ケガをしないように注意する必要があります。

サポーターで予防しよう

サポータを付ける少年

上腕骨顆上骨折の予防法のひとつとして、肘や手首にサポータを装着することです。
肘のサポーターを装着すれば完全に予防できるわけではありませんが、肘にサポーターがある安心感から、肘を反る(かばう)ような転倒の仕方や手のつき方が変わるかもしれません。想像よりもスピードが出してしまって転倒する際や、狭い場所を走行した際の転倒は、頭をぶつける可能性なども高く大きな事故になりかねません。楽しく遊ぶためにも、ブレイブボードやスケートボードを乗るときにはカッコ悪いと思わないで、ヘルメットやサポーターを装着して自分の体を守りましょう。