人工股関節置換術について 人工股関節置換術について

人工股関節置換術について

人工股関節置換術について

変形性股関節症・関節リウマチ・大腿骨頭壊死症などで病期が進行し、痛みが強くなっている人や日常生活の動作に支障がある場合には「人工股関節置換術」を行います。

人工股関節は骨盤(寛骨臼)側にカップと呼ぶお椀型の金属が設置され、大腿骨側には大腿骨頭の代わりに金属もしくはセラミック製のヘッドと呼ぶボール状のものが、ステムと呼ぶ軸状の金属と接続して大腿骨の中に固定されます。軟骨の代わりを担うカップの表面には特殊なポリエチレン製もしくはセラミック製の受け皿(ライナー)が取り付けられます。

当院での人工股関節置換術について

当院の人工股関節置換術の目的は、股関節痛の軽減(解放)と動作制限のない日常生活が送れるように、できる限り人工関節を長期にわたって長持ちさせる必要があります。そのために、さまざまな取り組みを行っています。

ナビゲーション

人工股関節の脱臼を回避するだけではなく、人工股関節手術後に動作制限のない日常生活を送っていただくためには「正確な人工関節の設置」が重要です。また人工関節をできるだけ長持ちさせるためにも人工関節の正確な設置は必要です。当院では、ほぼ全例にナビゲーションシステムを用いて手術を行っています。

ナビゲーションシステムを用いた手術のメリット

  • CT画像をもとに三次元の術前計画(準備)が可能です。最適と思われる場所や角度に人工関節を設置する 設計図 をあらかじめ確認・シミュレーションできる。
  • 手術中にモニターを確認しながら設計図に沿って安全・正確に手術を提供できるようになる(これまでの設置角度誤差が3度以下と非常に正確な手術です)

ナビゲーションシステムを用いた手術のデメリット

  • 手術前にCT撮影を行う必要があること
  • 手術時間が15分程度長くなる
  • 手術の傷以外にナビゲーションに必要なピンを挿入するための傷が必要になる

MIS人工股関節置換術

MISはMinimum invasive surgery の略でという意味です。MISの有名な手術は腹部外科で行われるカメラを使って開腹を行わない(お腹を切らない)腹腔鏡手術ですが、人工股関節領域のMISは、股関節を支えたり動かすために極力侵襲を加えずに手術を行えるかが非常に重要となります。当院では主に中殿筋と大腿筋膜張筋の間から股関節に到達する方法で手術を行います。股関節を支える最も重要な筋肉「中臀筋」に全く侵襲を加えないため、術後の疼痛も少なく術後の筋力回復が早く見込め、手術直後から積極的なリハビリテーションを行い早期退院・早期社会復帰に役立ちます。

中殿筋を一旦切離して縫合する一般的な手術方法と比較すると、手術中の視野が狭くなりますが、ナビゲーションを併用することによって、より正確で安全な手術が可能になります。
(※ただし極度の肥満の方や変形の非常に強い例、再手術例では正確性や安全性を重視してMISは行わない場合があります)

人工股関節再置換術

人工股関節置換術後から長期間経過し、人工関節に緩みが生じてきた場合や、術後の合併症として頻回に脱臼をきたす場合、術後に感染を起こしてしまった場合などは「再置換手術」が必要になります。再置換手術では複雑な手術手技が必要になる場合が多く、一般的な整形外科病院ではなく股関節を専門とする術者のいる病院での手術が望ましく、当院では再置換手術にも対応できる医師が在籍しています。

これまでに、人工股関節置換術を受けられた人の手術時に摘出した骨頭を滅菌消毒・冷凍保存する設備(ボーンバンク)が院内にあり、として再手術時の「骨欠損部」に使用することで複雑な再手術にも対応できます。また、再置換手術は手術中の筋肉や骨に対する侵襲が大きいため、入院期間が変動します。(※同種骨の滅菌消毒・冷凍保存・術中使用の方法は、日本整形外科学会のプロトコールが定められおり、その内容に従って行います)

人工関節とスポーツ

これまで人工関節置換術後には人工関節をできるだけ長持ちさせるために、手術後は長時間の歩行やスポーツや重労働は禁止することが主流となっていました。しかし近年では、人工股関節置換術を受ける患者さんの年齢層が下がってきていることや、人工関節の耐久性や手術手技が進歩しています。また、正確な手術を行うことで、正座やあぐら、しゃがむ姿勢など日本人特有の日常生活動作も術後に可能となります。

アメリカ股関節学会でも人工股関節置換手術後に推奨するスポーツとして、ゴルフ・テニス・卓球・自転車・スキーなどが挙げられています。術後のスポーツについて不明点がありましたら、医師までお尋ねください。

術後の対策

手術後の「疼痛」は患者さんにとって非常に重要で心配な問題です。しかし手術に伴う炎症と疼痛が軽減してからリハビリを開始すると、炎症が治るまでの間に「筋力低下」や「拘縮」が進行してしまいます。そのため、手術直後から患者さんの疼痛を緩和し、早期のリハビリを行えるよう、当院では麻酔科医師の協力のもとマルチモダール鎮痛法(多用式鎮痛法)を実践しています。これまでの術後の疼痛対応は、「痛みが強くなってから鎮痛処置を追加する」という考え方でしたが、マルチモダール鎮痛法は、さまざまな鎮痛薬や鎮痛方法を組み合わせ同時に使用することで「鎮痛方法の副作用を軽減」しながら疼痛の改善を図るという方法です。局所麻酔薬・末梢神経ブロック・オピオイド・消炎鎮痛剤・アセトアミノフェン点滴など、いろいろな鎮痛方法を組み合わせて行います。術後の手術局所への積極的な頻回のアイシング(氷で冷やす)も非常に効果があります。「疼痛」に関するご不明な点がありましたら、医師までお尋ねください。

ご不明点がございましたら、
お気軽にお問い合わせください。

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